オープンソースの統計解析システム「R」をご存じでしょうか。統計計算とグラフィックス(プロット)を得意とする言語です。機械学習やAI分野で、Pythonとともによく使われています。
最もベーシックなRは、ヒューマンインタフェースがコマンドを入力し実行するスタイルです。これを簡単化するため、開発環境を充実させた「R Studio」、メニュー選択で分析ができるようにした「Rコマンダー」、マウス操作で分析ロジックを組み立てられる「R AnalyticFlow」などが開発されています。
先日、この中のRコマンダーを機能拡張した「EZR」というツールを知りました。自分のメモも兼ねて、ここにまとめていきます。
Rとは
Rは、オープンソースの統計解析システムです。世界中のスペシャリストによってたくさんの分析ロジックが開発されています。ひょっとしたら、世界でも最新のロジックを入手して利用できる環境かもしれません。またR言語に基づくプログラミングをしていくことで、独自の分析ロジックを構築していくことが可能です。
インストーラは、このサイト(英語)から入手できます。ご使用端末がWindowsであれば、「Download R for Windows」→「install R for the first time」→「Download R 4.0.* for Windows」をクリックしていくことで、インストーラを入手できます。
Rの起動画面は以下のようになります。プロンプトにコマンド入力していく形です。コマンドを覚えていればマウス操作よりも早く作業を進めることができます。ですが、覚えていなければ、何をすればよいかもわからないと思います。
EZR(Eazy R)とは
コマンド入力するヒューマンインタフェースでは、コマンドを知らないと何もできません。これに対し、コアにRを置きながら、メニュー選択で分析作業をできるようにしたのが「EZR (Eazy R)」です。
もともとメニュー操作による分析をコンセプトにしたソフトウエアで「Rコマンダー」があります。これに機能拡張を行い、作られたモノのようです。
作成者は、日本の自治医科大学附属さいたま医療センターの神田善伸さんという方です。ご自身の専門分野である臨床医学の統計・分析で必要な機能を追加していった結果、このようなソフトに仕上がったようです。
EZRの入手先
このような背景から、EZRはさいたま医療センターのWebサイトで入手できます。Windows版でしたら、「ダウンロード(Windows標準版)」から入手してください。EZRsetup.exeというファイルでサイズが670MBありました。
EZRの画面
下の画面は、EZRの起動画面です。メニューの一番右に「標準メニュー」とあります。ここにもとのRコマンダーにあったメニューが含まれています。一方、それ以外のメニューはEZRで機能拡張されたメニューになります。
自分も使ってみるのはこれからですが、おそらく使い方は以下のような流れになるのでしょう。
- データセットの指定(CSVファイルの読み込みなど)
- 分析モデルの指定(メニューから選択)
- 分析で使う変数の指定(分析モデル毎のダイアログが表示され指定する)
- 実行
使われている分野
医学統計の世界ではこのソフトの使用を推奨しているところもあるほど普及しているようです。
それ以外では、例えば製造業の現場など、製造実績のデータを分析したいのだけれど、現場の人にはプログラミングスキルはあまりない。これまでExcelを使っていた。そんなところでは使えるのではないかな、などと想像します。
秀逸であるのは、マウス操作で行った分析作業が、スクリプトとして記録され保存できるところです。
他の人が同じ分析手順を再現できるため、部下が行った分析を経験豊富な上司がチェックするといった人材育成での活用や、研究開発のダブルチェックという使い方も出来るのではないかと思います。
おわりに
以上、メニュー選択で分析できる「EZR」を紹介しました。
私は2006年ぐらいからRを使っており、コマンド入力には慣れています。ですが、他の人達に使ってもらうことを考えると、コマンド入力では抵抗が大きい人が多く、このようなメニュー選択、マウス操作でできるソフトはありがたいです。


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