私は旅行が好きだ。時間さえあれば、どこかに行きたいと思う。国内はこれまで47都道府県中、45都道府県を訪れた。残りは秋田県、青森県。秋田県なら田沢湖や比内鶏グルメ、青森県ならゴールデンウィーク頃の弘前城なんて狙い目かな、などと思っている。未だ実現していない。
そんな私の初旅行は、子供時代の夏、和歌山県白浜町に行った家族旅行だ。泳ぎに自信のない私は、浮き輪とともに海水浴である。海から見える見事な白砂の浜が記憶に残っている。夜は父親のパチンコについて行った。なぜか私が大当たりした。続けて別のホテルにあるゲーム場にも行った。夏の白浜家族旅行は何年か続き、恒例行事となった。
私が小学校5年生の夏。この年は行き先を変え、富山県に行った。当時はあった夜行急行「きたぐに」に乗り、朝、富山駅に着く。富山電鉄で宇奈月温泉駅へ、さらにトロッコ列車で欅平駅まで行った。
翌日は、再び富山電鉄でぐるりと周り立山駅に到着。立山ケーブルで美女平駅まで登る。ここから12km東にある室堂駅までのルートをあまり覚えていない。割と岩が多い道を山登りをした記憶があるが、子供の足で12kmも登れるとも思わない。室堂駅からは立山の下をトンネルで西から東へ通り抜けるトロリーバスに乗る。東側の大観峰駅からロープウェイとケーブルカーで下った先に黒部ダムがあった。
ダムの上は通路となっている。ダムが放水していると、流れでる大量の水を間近で見られる。音がすごい。遠くに目をやると山の景色を楽しめる。
たくさんの乗り物を乗り継いでやっと到着する山の奥地に、よくこれほどの巨大ダムを作ったものだ。
ダム上の通路を通り抜けた反対側には、長野県まで続くトンネルを走るトロリーバスのバス停があった。バスで長野県に入り、扇沢バス停で降りる。さらにバスを乗り継ぎ、JR大井線のある駅前で降りた。
見たところ無人駅だ。周りには何もない。そして予定外だったと思うが、列車はしばらく来なかった。私たち家族は、無人駅で何をするでもなく時間を過ごしていた。今振り返ると、親は降りるバス停を間違えたんじゃないだろうか、などと思う。
この旅の私の記憶はここまで。そこからどのように大阪まで帰ったのか。全く覚えていない。どこかから特急列車に乗り、私はぐっすり寝ていたのかもしれない。
私が旅をする時は、割とたくさん下調べをする。多くの見所を見られるような計画を立てる。私の親はシンプル。宿だけ予約し、そこでゆっくりする。でも、この富山~長野の旅だけは、珍しく計画を立て、たくさんのことを盛り込んだ。それが私には合っていたんだろうか。私も旅は面白い、と思った。
そして、私の旅行好き人生が始まったのだ。


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